アルテミスとオリオン

アルテミスは男嫌いである。しかし双子の兄だけは特別であった。
だがオリオンの登場でその特別も唯一では無くなってしまう。アルテミスがオリオンに恋をしたのだ。
オリオンは仮の名人だ。その腕前はアルテミスさえも魅了してしまった。
その中のよさに嫉妬したのが双子の兄アポロンである。
すっかり変わってしまったアルテミスに悲しみと寂しさを覚え、遂にそれは嫉妬の塊となりオリオンの殺害計画を企てるほどに膨れ上がったのだ。

ある日アポロンは大地の女神ガイアに「オリオンが容赦なく仮をするせいで動物が絶滅してしまう」と訴え、彼にむかい巨大なさそりを放たせる。さそりに教われたオリオンはからくも海に逃げて難を逃れた。それを見届けたアポロンはアルテミスを呼び出しオリオンの泳ぐ海辺へ行く。そこで海の向こうに漂う的を指差し「さすがのお前でもあれは撃ち抜けまい」とアルテミスを挑発したのだ。
なんのと弓を構えるアルテミスの目に写るは不鮮明な的。それがさそりから逃げるオリオンだとは思いもよらなかったのだ。

すべてが終わった後、オリオンの亡骸を引き上げ天に送った。いつまでも好きな仮ができるように。

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